実は最近、フェイスブック(以下FB)で色んな方と交流させて頂いています。
そのお一人に、現代根付作家さんの死水さん(作品によっては至水さん)という作家さんがおられ、
メッセージ等で色々とお話しさせて頂いて、蘆屋道満をモチーフに指環を作って頂きました♪
素材は「鹿角」です。
蘆屋道満と言えば、陰陽師・安部晴明の宿敵、ライバルとして描かれる人物ですが、
私は晴明よりも道満の方に断然、魅力を感じます。
と言うのも、晴明は官人、つまり公務員なのに対し、道満は非官人。
要は民衆の近くにいた陰陽師・呪術師で、決して根っからの悪ではないと想像します。
「宇治拾遺物語」の一説には、
藤原道長が可愛がっていた犬が、あるとき主人の外出を止めようとした。
驚いた道長が晴明に占わせると、晴明は式神の呪いがかけられそうになっていたのを
犬が察知したのだと告げ、ほかにこんな呪術を知っているのは道満以外いないと考え、
道満は囚われの身となる。その後、道満は生国播磨に流罪となる。
その他も、唐の伯道上人のもとで修業をしていた晴明の留守中に、
晴明の妻とねんごろになり、不義密通を始めていた道満が、晴明の唐からの帰国後に、
伯道上人から授かった書を盗み見て身につけた呪術で晴明との命を賭けた対決に勝利し、
晴明を殺害し、第六感で晴明の死を悟った伯道上人が急遽来日して呪術で晴明を蘇生させ道満を斬首、
その後に晴明は書を発展させて「簠簋内伝金烏玉兎集」にまとめ上げたといった話・・・
などなど。
確かに「悪」の心はあるものの、海外の神話の神の方がよっぽど浮気をしたり殺戮をしたりで、
よっぽど悪い事してます(笑)
そして、蘆屋道満を指環にして頂いた理由の一つは「魔除け・お守り」にするためです。
これも勝手な私の持論ですが、
日本は昔から怨霊信仰・御陵信仰の国だと思います。
怨霊を祀って神とし、他の邪悪な「気」を寄せ付けないという信仰。
平安当時の陰陽師は、その怨霊を操ったり退治したりする役目ですから、
その陰陽師を指環にすれば最強のお守りではないかという事で指環にしました。
生き物の一部を死水さんという素晴らしい作家さんの手で道満という呪術師にして頂いた。
これ以上の魔除け・お守りは無いでしょう!!!!
死水さん、ありがとうございました!!!